「前回は137pipsも獲得できた。
	 今日はちょっとひかえめで50pips
	 くらい取れればいいかな?」
	 
	前回のトレードで思いどおりのトレードが
	できた私は以前より自信を持ちはじめた。
	 
	このお話を最初から読むにはこちらからどうぞ↓
	トレードテクニックさえ身に付けばFXで儲けられると思っていた
	 
	「なぜ、今まで大きな値幅を取りに
	 いこうとしなかったんだろう?
	 私って、バカだなぁ」
	 
	数pipsのチキン利食いしていた自分が
	笑えるくらいまぬけに思えた。
	 
	「まぁ、いいさ。これからドンドン
	 取り戻すことができるんだから!」
	 
	こんなにもトレードが楽しいと
	感じるのは久しぶりだった。
	 
	しばらくチャートを見ていると
	上昇している移動平均線から
	押し目買いができそうな
	良い動きになってきた。
	 
	「上昇トレンドも出ているし、
	 いいトレードができそうだ。
	 それっ買いエントリーぽちっとな」
	 
	エントリーすると同時にククッと
	価格が上昇する。
	 
	「よしよし。いいぞいいぞ」
	 
	スグに+20pips程度になった。
	 
	「ここはガマンするところだな。
	 しばらく放置しておこう」
	 
	しばらくしてチャートをチェックすると
	利益が減って+10pipsになっていた。
	 
	「あれ?あんまり動いてないなぁ
	 この調子だと+50pipsに行く前に
	 損切になっちゃうかな」
	 
	少し心配になった。
	 
	が、前回放置していたら大きな
	利益が手に入ったことを思い出した。
	 
	「また放置していたら利益方向に
	 進んでくれるかもしれないし
	 このままそっとしておこう。」
	 
	いったんチャートから離れた。
	 
	しかし、気になってチラチラをチャートを
	見てしまう。自分のポジションの行き先を
	案じながら、熱い視線を送っていた。
	 
	価格はじりじり上がる動きを見せながらも
	時々ガクッと下がっていた。
	 
	とはいっても、下値も固そうに見えた。
	 
	損切位置にはまだ遠い。このあたりから
	スグに上昇してくれるだろうと信じていた。
	 
	その時だった。
	 
	「バシュッ!!」
	 
	そんな音が聞こえた気がした。
	 
	価格が一気に10pips以上さがった。
	 
	ドクッと心臓が鳴り、あっと思った瞬間から
	いきなり値動きが激しくなった。
	 
	この動きはヤバイかもしれない。
	瞬間的に頭をよぎったが、何もできなかった。
	 
	価格はズルズルと下がっていく。
	 
	「あああああー」
	 
	逆指値がヒットした瞬間、思わず声が出た。
	 
	+20pipsが一瞬にして-20pipsの
	損切になってしまったのだ。
	 
	「くっそー、損切かぁ。おかしいなぁ
	 上昇すると思ったのに!!!」
	 
	「あーあ、20pipsちょっとの
	 含み益が出てた時に脱出して
	 おけばよかったな」
	 
	なぜ50pipsという値幅を目標に
	してしまったんだろう。
	 
	20pipsでも十分な値幅だったのに。
	欲をかいたなと悔やんだ。
	 
	「ちっ、次はもっと手堅くいこう。」
	 
	心の中でそうつぶやいた。
	 
	つづく
	 
 
	私が『トレード思考』というものの存在を
	知らなかったころ、負け続けるための
	訓練をしていた。
	 
	出口のない迷路を死ぬ思いをしながら
	歩き続ける、そんな経験だ。
	 
	「今日は利益が乗ったらガマンして
	 長く保有しておこう。せめて40pipsは
	 利益を乗せたいからな」
	 
	チキン利食いを絶対に克服するんだ!
	トレード前に決心する。
	 
	エントリーチャンス到来!
	 
	うまい具合に十数pipsの利益が乗った。
	 
	「ここからが勝負だ!
	 利益を最大限に伸ばすために
	 目標到達までガマンするぞ!」
	 
	利益が20pipsになり、早く利食いたい
	衝動にかられる。
	 
	「まだ、まだだ。まだ粘るんだ!
	 目標の40pipsまで持ちこたえろ!」
	 
	含み益が30pipsになった。
	 
	「もうちょっとだ。もうちょっとガマンすれば
	 目標の40pipsに到達する。」
	 
	一瞬、含み益が45pipsになる。
	 
	「やった!到達した!しかも目標の
	 40pipsを越えている!」
	 
	この瞬間、私の欲望がむき出しになった。
	 
	「もう少し粘れば、50pipsいくんじゃね?」
	 
	目標の40pipsで決済せずに
	さらに保有することを決心した。
	 
	「一応、プラマイゼロに逆指値を置いておくか。
	 もし反転してしまってもマイナスにはならない」
	 
	もしかするととんでもない利益が
	乗るかもしれないな。
	 
	妄想は膨らみ、結局その日は決済せず
	放置して寝ることにした。
	 
	「明日が楽しみだ。ぐひひ」
	 
	そして翌日。
	 
	目を覚ますと真っ先にチャートチェックする。
	 
	「どれだけ利益が育っただろう。ワクワク」
	 
	少しドキドキしながら昨日のポジションを確認する。
	 
	「+137pips」
	 
	最初の目標40pipsより3倍以上の利益だ。
	 
	「100pips越えの利益だ。やった!!
	 やっぱり放置して正解だったな。」
	 
	自分の判断に自信を持った。
	 
	「よし、ここで決済しておこう」
	 
	利益を自分のものにし、私は
	満足できると思った。
	 
	しかし、こんな考えが頭をよぎる。
	 
	「それにしても、もっと大きく動けばよかったのに・・・」
	 
	100pips以上の利益を手にしたが
	強欲な私はすこし不満を感じていた。
	 
	損切よりは全然いい。でも、もっと満足できる
	トレードになったらよかったのに、と思った。
	 
	つづく
	 
 
	FXの手法ばっかり必死に学んで
	全然勝てなかった頃、こんなことを知った
	 
	「勝てるトレーダーはカンタンな相場だけ
	 選んで難しい相場は避けていますよ」
	 
	「負けるトレーダーは難しそうな相場でも
	 どこでも手を出すから負けるんです」
	 
	なるほどな!いいことを聞いた、と思った。
	 
	その日からさっそくムズカシイ相場を避けて
	カンタンな相場だけを狙うようにした。
	 
	が、異常事態が発生。
	 
	「ここはカンタンそうだ!」と思って
	トレードすればことごとく損切。
	 
	「ここは難しそうだなぁ」と思って避けたら
	価格がギューンと動いて「トレードしてりゃ
	利益になってた」状態。
	 
	一体どうすりゃいいんだ!?
	頭を抱え込む。
	 
	ムカついたから「チャンスだ!」と思えるところは
	全てトレードすることにした。
	 
	当然結構負けた。
	ことごとくではないが結構負けた。
	負け続けた。
	 
	で、ある日過去のトレードを見ていると
	ふと気がついた。
	 
	「あれ?ことごとく負ける時期とそんなに
	 負けない時期があるな」
	 
	ことごとく負ける時期はどういう相場か
	チェックしてみた。
	 
	トレンドが出ていない、とかボラティリティが
	低いとか色々分かった。
	 
	「あぁ、こういう時はトレードしないほうがいいのか」
	と悟った。
	 
	ここまで来てようやく
	 
	「勝てるトレーダーはカンタンな相場だけ
	 選んで難しい相場は避けていますよ」
	 
	っていうアドバイスを心の底から
	納得できるようになった。
	 
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