目の前で起きていることが見えないことがある。
あるサラリーマン(A氏)が電話をかけていた
「はい、いつものリナちゃんを指名します。
今から一時間後に〇〇ホテルでお願いします。」
彼は今から女性と二人っきりになって
「あること」をするようだ。
「またあの人、私を選んでくれたんだ!
あの人、優しいから気に入ってるんだよね」
指名されたリナはうれしそうに
いそいそとホテルへ向かった。
「こんにちは、リナでーす」
「よく来てくれたね、すごく会いたかった」
リナとA氏はベッドに座り、見つめ合った。
・・・
リナがホテルの一室に入っていく様子を
じっと見ている人物がいた。
A氏の妻だ。
A氏の様子がおかしいのに気づいて
ずっと後をつけていたのだ。
・・・
一時間後、リナがホテルの部屋から出てくると
A氏の妻はつかつかとリナに歩み寄り問い詰めた。
「あなた、私の夫に何をしたの!?」
リナは叫んだ「違うんです!誤解なんです!」
・・・
目の前で起きていることが理解できない、
見えないことがある。
私たちは物事を判断するときに
自分の価値観や過去の記憶をたどって
色々な解釈をしている。
私たちが見ている全ての事は
自分の過去や価値観だということ。
「夫がいかがわしいお店に電話して
ホテルで女性と会っている」
これを自分の価値観と記憶を
通して見ることで
「夫は浮気をしている」
と結論付ける。
・・・
自分がトレードし終わった後に
冷静にチャートを見て不思議に思う。
「はっきりと下降トレンドなのに
なぜ底を取ろうと買いばかりしたのか?
なぜ売りを入れようとしなかったのか?」
目の前のチャートを見ているつもりでも
実は自分の過去の記憶、価値観を通して
チャートを見ていたからだ。
「下値が堅そうだから反発上昇するだろう」
「こんなに下がってるんだから
そろそろ戻りが入るだろう」
目の前に起きている事をありのままに見る
というのは実は結構難しかったりする。
トレードルールとはそもそも何か?
過去に起きた傾向を自分の味方にすること。
「過去にこんなパターンが起きている。
これからも同じようなパターンで
動いていくだろう」
という予測の元にできているもので
未来を当てたり予想するものではない。
しかし
「こうなっているパターンだから
次はこうなるはずだ」
と解釈してしまうと
トレードルールとは未来を当てたり
予想するものだと思い込んでしまう。
そうなると当たった、当たらなかった
ことにより感情的になって必要な行動が
できなくなったり
やみくもにトレードルールに
従うだけになったりする。
下がり続けているのに
「もう下がるだろう
そろそろ下がらないとおかしい」
自分勝手に解釈し始める。
「これは下降トレンドだった」
気づいて売りを入れ始めてももう遅い。
相場が反転する頃だからだ。
「しまった、なぜもっとはやく
気づかなかったんだろう!」
ますます頭に血が上って
目の前にあるチャートが
さらに見えなくなってしまう。
利益を出すことが大切なのに
リベンジすることの方が
重要になってくる。
「おかしい、俺はこんなハズじゃ
なかったのに!」
必死で今までの負けを取り返そうとする。
ドツボにハマっても頭のてっぺんまで
泥沼にはまり込むまで気づかない。
なぜこんなことになってしまうのか?
「俺は全て分かっている。見えている」
と思い込んでいることに気づいていないから。
「上手にトレードしよう」
と思ってしまっているから。
見えていないしわからないし
上手にトレードなんかできない、
ってのが自然に出てこない限り
迷路にはまり込んでしまう。
・・・
リナはA氏の妻に話をした。
「奥さん、冷静になって
私の話を聞いて頂けますか?」
「奥さんには、娘さんがいましたよね?
小さい頃にAさんがよく絵本を読み聞かせて
いたって聞きました。
でも、事故で亡くなったんですよね?」
「その娘さんに、私が似ていると
Aさんはおっしゃいました」
「娘と一緒にいると思って、少しの間だけ
絵本を読ませて欲しいと彼は言いました」
「そういう理由で、いつも私に
絵本を読んでいただけなんです」
「誤解されることは覚悟していますが
奥さんの考えているような関係ではないのです。」
・・・
A氏の妻はリナの説明を聞いて
どう思っただろう?
自分の過去の記憶、価値観を通さずに
目の前に起きている出来事を捉える事が
できただろうか?
それとも
「そんなイイワケが通用すると
思ってるの!?」
鬼の形相でA氏の元へ
走っていっただろうか・・・
FX始めたころ、どの通貨ペアを選んだらいいのか
よくわからなくて散々迷ったことがあった。
「一番なじみのあるのがドル円だから
ドル円が稼ぎやすいんじゃね?」
って思ってたんだけど、色々調べたら
ドル円は流通量が少ないから思ってるより
難しい通貨っていうのが分かった。
ドル円はスプレッド(手数料)が少ないから
スキャルピング(超短期売買)に向いてて
利益を出してる人が多いって聞くんだけど
実際には短期の売買をする人が多いせいか
急な反転とかが多くて素早く判断しなきゃ
あっという間に損失になるってことが多かった。
「うーん、私にはドル円は向いていないかな」
で、ドルの次に流通量の多いユーロがいいんじゃね?
ってなってユーロドルに手を出すことにした。
ユーロドルはスプレッド(手数料)も小さいし
流れが出やすいってよく聞くからきっとラクに
稼げるに違いない!って思った。
・・・けど動く時はいきなり大きく動いて
動かない時はちっとも動かない・・・
こりゃダメダって思ってポンド円に手を出すことにした。
「ポンド円は値動きが激しいけど大きく動くから
1トレードで100pips以上でも普通に狙えるよ」
っていうことを聞いて興奮した。
「いい通貨見っけた!これで大きく稼げる!」
って思ったけど反対に動く時も大きいから
損切幅も大きくなって思ったほどうまくいかなかった。
ユーロ円、ポンドドルにも手を出したけど
流れがいまいちつかめず難しいなぁ~って感じた。
そんなとき、「豪ドル米ドル」っていう通貨を発見した。
「この通貨は特徴があって、いったん流れが出ると
どんどん一方向に動くことが多いんだよ」ということだった。
なるほど、「流れが出たな」って思ったら素直に
その方向に売買すればうまくいくんだなと思い
動いている方向にどんどんエントリーしていった。
最初は割とうまくいった。
取れる時も大きく取れる。
でもそのうち流れがよくわからなくなって
スプレッド(手数料)も大きいしで、利益が
出せなくなっていった。
じゃぁ豪ドル円はどうかな?って思って手を出したけど
これまた動く時は動くけど、動かない時は全然動かなくて
結局トータルマイナスで終わってしまった。
「で、結局どの通貨を選べばいいんだよ!」
って憤慨したんだけど・・・
最終的にはメジャーな通貨からとりあえず一つ選んで
・ドル円
・ユーロドル
・ユーロ円
・ポンドドル
・ポンド円
・豪ドル米ドル
・豪ドル円
デモトレードで利益が出る方法を
脳を酷使して工夫して探し出して
とりあえず利益がでる方法を見つけたら
ひたすらそのやり方を磨いていく
っていう方法が一番近道なんだな~
って、何年か後に気づいたとさ。
FXで勝てないのはテクニック不足だからだろうか?
デモトレードで勝てているならテクニックは
十分身についているのではないだろうか?
デモトレードとリアルトレードには
大きな壁が存在することに気づいたら
どうなるだろうか?
デモトレードとリアルトレードのギャップは
どうすれば埋められるか?
その方法はたった一つ。
~~~~~~~~~~~~
自己コントロール力を磨く
~~~~~~~~~~~~
自分の行動を少しづつ変えて自己コントロール力を
鍛えればトレードがうまく回り始めるだろう。
私がトレード初心者だった時代、トレードを
軽視していたときがあった。
なぜ軽視していたのか?
トレードは家の中で独りぼっちでやることが多い。
相手はパソコン画面。
なんとなく対等な関係、いや『パソコンの方が
私より下』という気持ちが強かった気がする。
「どうにかすりゃぁ組み伏せるだろう」
みたいに思っていた。
「トレードは難しくない。カンタン。ラクに稼げる。」
思考的にはまちがった考えではないが
それが違った方向に向いていたんだ。
「手を抜いても稼げるだろう」と思ってた。
たとえば・・・
・テレビを見ながらトレードしても勝てるだろう
・ゲームしながらトレードしても勝てるだろう
・お酒を飲みながらトレードしても勝てるだろう
・ちょっとくらい体の調子が悪くても勝てるだろう
そういう状態で『勝てる時もあった』から
ダメなことだとなかなか認識できなかったんだ。
あるいは、「FXはカンタンに稼げるよ」と
煽るようなさまざまな広告を見たことによる
記憶の刷り込みが起きていたのかもしれない。
FXはいわば「世界大会」のようなものだ。
世界中の人がそれぞれの通貨を
一喜一憂しながら取引している。
その中の一人だという想像力が私には
足りていなかった。
例えば
「ゴルフの世界大会に出場する」
「マラソンの世界大会に出場する」
「野球の世界大会に出場する」
そんな選手と同じ状態にいるってこと。
世界大会に出場するのにお酒を飲みながら
試合に出て勝てると思う?
ちょっとくらい体調が悪くたって
勝ち進むのはカンタンだと思う?
「いいえ、あやなさん、そんな人は
スグに予選敗退してしまうでしょう」
そうだね。
あなたのいうとおりこてんぱんにやられるだろう。
トレードの世界もこれと同じだったんだ。
そう考えると、「もっと真剣にFXに
取り組まなきゃならないな」って気持ちに
ならないだろうか?
・トレードする時はテレビを消して集中する
・ゲームや雑誌を見ながらとか、他のことを
やりながらトレードしないようにする
・お酒を飲んでトレードするならトレードせずに
お姉ちゃんの店に行った方が100倍マシ
・身体の調子が悪いなら正常な判断はできない。
休養に全力を注ぐべし。
FXの取引回数はどのくらいが適当かと考えたとき、
トレード手法を一緒に考えるとわかりやすい。
・小さな値幅をコツコツ積み重ねるタイプ
数pips程度の利益を狙うなら
大きく動かなくても利益化できる。
(※1pips=1銭)
1日に100回以上でも取引できるタイプ。
値動きが即反映される「ティック」や「1分足」
「5分足」をメインに見ることが多いはずだ。
・少し大きな値幅を狙うタイプ
20pips~100pipis以上狙うなら
相場がその幅以上動いてくれる時を
ねらう必要がある。
トレードチャンスが来ない日も
珍しくはない。
・大きな値幅を狙うタイプ
最低でも100pips(1円)以上狙うなら
その幅以上動く時をねらわなきゃならない。
毎日はトレードできず待っている時間の
方が多くなるだろう。
相場の状態によっては1週間に数回、
月に数回の取引になることもある。
「あなたのトレード手法がどのタイプか?」
を知れば取引回数の目安になる。
あなたのトレード手法を実際に過去のチャートで
チェックすれば、一日にどのくらいチャンスが
発生するか?確認できる。
取引回数を多くしたいなら小さな足を見る。
少なくしたいなら大きな足を見る。
あなたの環境や性格に合うものを
探してみるとトレードしやすくなる。
「トレードをするならまずは明確な
トレードルールを持てというけど
具体的にどんなルール?」
トレードルールというのはいわゆる
『トレード手法』のこと。
・ポジションを持つ基準は何?
・エントリータイミングを決める目安は何?
・「利益が出ている!」利益確定はいつする?
・「含み損になってる!」損切はどこでする?
いつでも同じような判断をするために
トレード手法があればいいってこと。
もし明確なトレード手法がなかったら
含み損が出ても「もう少しだけガマンして
持っておこうかな」とつい甘い判断を
してしまったりする。
「含み損をガマンして持っておく」
っていう甘い判断で利益が出続ければ
それに越したことはない。
が、そんなに甘い世界ではない
っていうのは残念ながら
スグにわかってくる。
ある日突然、急激な急上昇あるいは
急激な急降下を経験するだろう。
「あっ」と思った時はもう遅い。
一瞬にして全資産を失うほどの
損失が出てしまったりする。
まぁ、今はレバレッジ25倍で規制されて
いるから、以前よりかは損失をある程度
抑えることができるかもしれない。
だとしてもトレードルールを持たずに
むやみやたらに週をまたいでポジションを
持ったりするなら、やはり全資金を失う
危険は存在する。
利益がのった時も要注意だ。
「わーい、少し利益がのったから
コツコツ決済していこうっと!」
明確なトレード手法を持っていないと
ついつい小さな利益で終了させてしまう。
小さな利益ばかりで決済していたら
たまに大きく動いてもその流れには乗れない。
「あーあ、ガマンして持っていれば
いつもの10倍利益が出ていたのに」
せっかくのチャンスをみすみす
逃してしまうことにもなる。
大きな流れに乗る明確なルールさえ
持っていれば大きな利益も手にできたのに。
・ポジションを持つ基準は何?
・エントリータイミングを決める目安は何?
・「利益が出ている!」利益確定はいつする?
・「含み損になってる!」損切はどこでする?
これらの質問にはっきりと答えられないなら
トレードすればするほど損失になる
可能性が非常に高い。
あなたはこの質問に
スグ答えられただろうか?
トレード手法の紹介:
たった一本の線を使ったテクニカル分析
「FXどうやって勝てるようになるんだろう?」
超初心者だった頃よく考えた。
「移動平均線や高値・安値ライン、トレンドライン、
色々なフォーメーションを頭にバッチリ
叩き込めば勝てるようになるんじゃないか?」
最初はそんなことを考えていた。
だから、必死になって
「移動平均線のどこに価格が来たら
買えばいいのか、売ればいいのか?」
とか
「売りができるチャンスはWトップが
出現したらだ!」
というようなことを日々頭の中に
叩き込み続けた。
「チャートに表示させた色々なテクニカルが
私に勝利の道を示してくれるだろう」
と思っていたわけだ。
最初の1か月目に利益を出した。
「やった、私の考えたことは正しかった!」
思わずガッツポーズをする。
「よし、この調子で来月もがんばるゾ!」
期待に胸を膨らませ、2ヶ月目に突入する。
その結果、先月の利益を吹っ飛ばし
さらなる損失を抱えてしまった。
「損切は完璧にできているし
いけると思ったんだけどな・・・
なんで勝てないんだろう?」
なかなか利益を上げ続けることが
できない自分に腹がたち、イラだった。
自分ではこれ以上良い解決策を
考えることができないとすら思った。
そんな時、ふとあることを
教えてくれる人がいた。
「チャートを見ているのはあなただけ
ではないですよ」
だから何なんだ?と思った。
そりゃぁトレードする人なら皆
目の前のチャートを見ているに
決まっているじゃないか!
だからどうした!偉そうに・・・
と考えていた時に頭にバチッと
光が走った。
「そうか!私だけがチャートを見て
いるワケではないのか・・・」
「多くの人がチャートを見て
トレードしているのか」
「チャートは私だけにコッソリ
答えを教えてくれるわけでは
ないんだ」
「皆が正解を知っている状態なんだ・・・」
自分はなんてごうまんな人間なんだろう、
自分の欲しか考えていない人間なんだな
と、とても恥ずかしく感じたのを覚えている。
買った瞬間に下がって損切。
「あーあ」
残念がった瞬間に価格が反転。
「持っていれば利益になったのに・・・」
後悔する。
こんなトレードばかりで気持ちが萎える。
勝てそうで勝てず、もどかしい。
こんな調子のトレードばかりで
ほとほと嫌気がさした。
「もう、自分でトレードするの
めんどくさくなってきた。
なんかいい方法がないかな」
さまよっているうちに素晴らしい
方法を思いついた。
「勝てる人のシグナル通りに
トレードすれば楽勝じゃん!」
何でこんなカンタンなことをスグに
思いつかなかったんだろう?
自分を責めつつトレードシグナルを受信する。
「今日はユーロドルが強気なので
このポイントを抜けたら買いましょう」
「そろそろドル円のサインが出そうなので
シグナルを見逃さないようにしてくださいね」
自分で判断する必要がないから
超ラクチン!
ラクラク稼げる!
ようやく成功への道が開けた!
私の判断にぬかりはない!と思った。
エントリーのポイントも損切のポイントも
利益確定のポイントも全て教えてくれる。
シグナル通りにトレードすれば
いつの間にかお金が増えているのだ。
が、ここで予期せぬ事態が発生した。
損切になるトレードが多くなってきたのだ。
もう5連続で損切になっている。
儲けようと思って大きめのポジションを
入れたとたんにこのザマだ。
「資金の3分の1がなくなっちゃったよ。
ここで取り返せないとヤバイんだけどなぁ」
焦り始める。
ようやく利益確定できるサインが出ても
ほんのちょっぴりしか取り戻せていない。
「次に損切になったらまたガクンと
資金が落ち込んじゃうよ」
送られてくるシグナルをだんだんと
信用できなくなってきた。
「次のシグナルはダマシのシグナルかも
しれない。今回は見送ろう」
自分でシグナルを選ぶようになった。
「ほら、シグナルは損切になった。
私の判断は正しかった」
「次のシグナルもきっと損切だろうから
もう少し様子を見よう」
次のシグナルも無視した。
が、このシグナルを見過ごしたのは痛かった。
「あぁ、このシグナル通りにトレードしてれば
負けの半分は取り返せていたのに・・・」
「くそっ、次のシグナルはきっと当たるだろう。
大きめのポジションで勝負してみよう」
こんな調子でトレードを続けたら
資金がドンドン削られていった。
「はぁーあ、うまくいかない・・・
シグナルトレードも全然儲けられないじゃん!」
「やっぱり、他人なんかあてにできない」
・・・
当時はこう思っていた
「勝てるサイン通りにトレードすれば
カンタンにお金を増やすことができる」
が、この考えが大きなまちがいだった。
「利益が出るサインを教えてもらっても
勝てるトレーダー思考を持っていなければ
お金を稼ぐことはできない」
しかし、この事実を知ってもしばらくの間
私の妄想を止めることはできなかった
「勝てるサインさえ教えてくれれば
私だってスグ億万長者になれるのに!」
ビリビリビリビリ!
「FXはどうやって稼ぐの!?
なんでこんなに上手くいかないの!?
くやしいぃぃぃぃーーーーー」
トレード日誌をめちゃくちゃに
破りまくる私がいた。
限界まで自分をコントロールして
慎重にトレードしたのに
最後に必ず大負けしてしまう。
トレード勉強だってしている。
トレード日誌だってちゃんとつけている。
「なのになんでうまくいかないの!!!?」
トレード日誌を破り捨てたことで
いくらかの心の落ち着きを取り戻せた。
「・・・でも、また同じ間違いを犯すかも」
黒いもやもやした塊は
まだ私の胸の中に留まっていた。
私はトレードの正しい考え方を知るまで
こんな風に思っていた。
「利益になったー!わーい♪」
「損になっちゃった・・・あーあ」
この表現、あなたには何が悪いか
おわかりだろうか?
「うーん、利益で喜んじゃいけないってこと?
まさかそんなはずはないよねぇ」
実は、そんなはずがあるんだな。
良いトレーダーになるには4つの感情を
正しく使い分ける必要がある。
4つの感情の使い分けはこうだ。
「利益になった!わーい!」
「利益になっちゃった・・・あーあ」
「損になった!わーい!」
「損になっちゃった・・・あーあ」
たとえば、損切後にむちゃくちゃなトレードをしたり
お酒を飲んだ後にトレードしたり、
そんな経験をしたことはあるだろうか。
私はどちらもやってしまっているわけだが
そんなムチャなトレードをしても利益を
得ることはあった。
「そりゃラッキーだね」
うん、私もそう思った。
直前の負けを取り返して更なる利益を
積み重ねられたトレードならさらに
興奮度はMAXだ。
ところが、これはトレーダーを出口のない
暗闇をさまよい続けさせるワナでも
あったのだ・・・
例えば、パソコンの調子が悪くなった。
でも原因が分からない。
パソコンは精密機械だから丁寧に
扱う必要があるんだけど、この知識を
持っていなかったら・・・
「ちょっと叩けば治るんじゃないか?」
って思ったりするだろう
で、本体をバンッて叩いてみたら
パソコンの調子が良くなった。
「おー、治った治った。叩けば治るじゃん」
って思うよね。
もし、またパソコンの調子が悪くなったら
また本体をバンッて叩いてみるよね?
正しい知識がなかったらきっと叩いて治すのが
正しい行動だと覚えてしまうだろう。
トレードもこれと全く同じ。
めちゃくちゃなトレードして利益になったら
「めちゃくちゃにトレードしても利益になる」
って覚えてしまう。
だから次もきっと同じようにめちゃくちゃな
トレードをしてしまうよね?
「いやぁ、あやなさん、私はしっかり者だから
そういうワナにははまりませんよ!」
って考えるかもしれない。
でもどんなに頭でわかっていても
避けられないから怖いんだ。
条件反射になっちゃうからね!
体がビクンッ!って反応しちゃうの!
私はこの話を知った時「怖えええぇぇぇ!!」
って思ったよ。
「この話を知らなかったら、きっと一生
トレードで勝てるようにはなれない!」
あまりにも怖くなって両手でギュっと
体をつかんでブルブル震えたよ。
「あやなさん、震えてないでこのワナを
回避する方法を早く教えてよ!」
う、うん。わかった(ブルブル)
ご、ごめん。あの時の恐怖を思い出したら
手が震えてうまく文字を打てなくなっちゃった。
いったん落ち着きたいから、今日はここまで。
次回をお楽しみに!
FXを始めてしばらくすると・・・
「おーし、なんとな~く勝ち方が
わかってきた気がするゾ!」
「カンタンなルールを作るだけで
グンと勝ちが増えるんだよねー
ヒッヒッヒ。」
カンタンなルールの例↓
・移動平均線を完全に交差しきってから
エントリーする
・移動平均線が極端に上か下を向いて
いる時だけトレードする
・乗り遅れた時はトレードしない!
ところがたまに
「あれ~?こんな時はどうしたら
いいのかなぁ?」という場合がある。
ルール通りにやっていても例外的な
場面が出てくるということ。
ルール通りにトレードしていてうまく
いきそうだなと思っていたのに急な
反転で思わぬ含み損になる。
損切せずに待っていると戻ってくる
ことが多いから放置してみる。
時たまガツーン!と大きな損になってしまう。
なんでかな~?色々なブログを参考に
するが目覚ましい改善は得られない。
ぼんやり
「たぶん、こんな風にすれば勝てる
ようになるんじゃないかなぁ」
利益を上げる方法をよく知らないまま
なんとなーくトレードを進めてしまうわけだ。
で、「なんで勝てないの~?」って
胃が痛くなるほど悩む。
昔の私もそんな感じだったわけだが・・・
「今、相場がどういう状況でどんな
動きになりやすいか?」
「こういう状況ならどんな戦略が
通用しやすいか?」
相場環境を読み解き同時進行で
自分の得意パターンを当てはめて
トレードすればいいわけだ。
これは才能とかではない。
これがトレードで一番重要な
スキルなのだ。
エントリーしてから「うーん、このまま
上がるかなぁ。。上がって欲しいなぁ」
「含み損が1000円かぁ。もうちょっと
待ってみようかなぁ。どうしようどこで
損切しようかなぁ。。」
ってやってても一生お金は増えないっていうこと。
「これはブレイクトレードか。損切ポイントはここ。
利益確定はこのポイントだな」
「これはレンジトレードか。損切はここで
利益確定はここだな。」
ぼんやりした部分をなくせばなくすほど
どうすればお金を増やせるかが具体的に
見えてくるようになる。
友人がこんなことを言った。
「将棋の勉強はあまりしてないけど、
プロの将棋大会に出場するんだ。」
「ド素人だけど少しは勝てるんじゃ
ないかな?運がよければ優勝
するかも!?」
私は耳を疑った。
(本気で言ってるの・・・?)
これを聞いてあなたはどう感じただろうか。
「そんなの勝てるわけないじゃん!
優勝なんて100%ムリ!」
と思うのがふつうだろう。
ところが、興味深いことにこれが
将棋ではなく『相場』についての
会話だったら
「もしかすると勝てるかも?」
って思わず考えてしまう。
その先に待ち構えているのが
グツグツと煮えたぎる地獄の釜
とはつゆ知らず・・・
「もしかすると初心者でも
相場で勝てるかもしれない」
思わず考えるのは理由がある。
戦略なしでも偶然勝てる
こんなあま~いワナが仕掛けられて
いるからだ。
「もしかしたら、私には相場の
才能があるんじゃないかしら?」
「もう少し続けていれば、
そのうち上手に取引できる
ようになるんじゃないだろうか?」
現金を得る側ではなく、差しだす
側へじわり、じわりと引きずり込む。
90%以上が、身ぐるみ剥がされて
泣きながら去っていくのが、相場の
本当の姿だ。
最初の頃にこのワナに気づく
ことができたなら、あなたは
とても運がいい。
負けるのには理由がある。
「あなたは無意識のうちに
損する行動をとっている」
これを聞いた瞬間、次の
コトバが浮かんだだろうか
プロスペクト理論
浮かんだなら、かなり勉強して
いらっしゃる。素晴らしい。
このコトバはかなり重要だから
よく理解しておくといい。
あなたのこれからのトレードが
大きく変貌するきっかけになるだろう。
「利益が出ていれば堅実になり、
損失が出ていればギャンブラーになる」
これがプロスペクト理論だ。
つまり、
「50万円の利益が出てる!
利益が減るのはイヤだから
早く決済しちゃおー」
「うわぁ、100万円の損失に
なってる!もうすこし粘れば
損失が少なくなるかも。
見なかったフリをしよう」
と無意識のうちに判断して
しまうということ。
これを永遠と続けたらどうなるか?
利益は小さいときに確定
損失は大きくても確定させず
さらに大きくなってどうしようも
なくなった時にようやく確定。
トータルでは大きな損失。
再起不能で破産確定。
ホームレスになって一家離散。
悲惨な現実を持つことになる。
「さっぱり勝てないなぁ」
「なんでチキン利食いを
するのかなぁ」
なんにも知らずに相場に入れば
あなたは鴨で、さらにネギを
しょっている状態だから。
「私はカモだったんだ」
そう気づいた瞬間、あなたが
オオカミへと変身する扉が開く。
『オオカミへ変身する方法』は
また別の機会にお話ししよう。